世界中に素晴らし舞台芸術は沢山あると思いますが、日本の伝統芸術の一つである能は、本当に日本人のDNAにピッタリとハマると思います。
言葉は少し難しいけれど、所詮は日本語。よく聞いていればなんとなくわかるものです。
先日は外国人のファミリーも観賞していて、子供も食い入るように見ていましたよ。
きっと怖い表情の能面に興味があったのかも知れません。
Japanese Noh Mask (Noh Men) |
国立能楽堂 |
私の前列の座席は素敵な和装のご婦人が5~6人座っておりましたが、始まって10分くらいで全滅です。
みなさんこうべを垂れて気持ちよさそうにお休みになられていました。
いいんです。いびきさえかかなければ。実際眠くなります。
おかげで私はよく見えました。
あの独特な世界感と旋律。「いよ~」 カン! ポン!とか「いや~」ポン!といった鼓に、「なにがしでござる。」とか「なになにつかまつりそうろう。」とか???
でも大丈夫です。10分寝て起きても、場面も変わらなければ、シテ(能を舞う主役)は1cmくらいしか動いていませんから。
重要文化財に指定されている平泉白山神社の能舞台です。 能舞台は本来このように屋外にありましたが、木造建築で壊れてしまうので、現在の様な立派な能楽堂の中に設置されています。ですから室内なのに屋根があります |
こんなこと言ったら本物の能楽ファンに怒られるかもしれませんが、みなさんも忙しい現代社会を忘れ、幻想的な世界でうたた寝してみてはいかがでしょうか。
多分昔々はお殿様も酒を飲み、うたた寝しながら御観賞されていたことでしょう。
多分昔々はお殿様も酒を飲み、うたた寝しながら御観賞されていたことでしょう。
ぼくが能楽で一番好きなところは、突然パッ!と終わり、舞台のそでに静々と下がって行く、何とも表現しがたい終わり方が好きですね。
「寂び」と言うのかさみしい静けさも日本文化の良いところで、僕は大好きです。最高の美意識だと思います。
みなさんもちょっぴり贅沢なうたた寝を!!