2016年10月5日水曜日

航空性(気圧性)歯痛




いつでもきれいに治せると高を括っていたら治療途中の歯がついに折れてしまった!

仕方がないので抜歯して、かれこれ数ヶ月また放置。

スタッフにも早く治療した方がいいと半分あきれられる始末の院長の私ですが、先日ついに抜いたところにインプラントを埋めました!

インプラントの手術は沢山していますが、手術を受けるのは初めての経験。

まあ、簡単だから大丈夫だろ~。

ドリルで硬い骨、柔らかい骨を削られる感覚、インプラントを埋め込まれる圧迫感なんかが体感できてよかったです。これで少し患者さんの気持ちがわかる様になりました。
手術後は特に問題はなかったのですが、翌日に飛行機に乗ったら、あら大変‼

離陸して間もなくすると耐え難い痛みが手術した付近を襲います。

今回は上の奥歯のインプラントで、目の下にある副鼻腔という空洞に近いところを手術していたので、目の下から頭までがズキンズキン‼どころじゃない痛みが。
しばらくシートでうずくまっていましたが、バックにあった痛み止めを飲み冷たい水を口に含んで患部を急冷。
痛みに耐えながら冷静になって今僕の体に何が起きているんだぁ?と考察。

一過性の低酸素かと思い、持っていたパルスオキシメーターでSpO2は問題なし。
耳管も異常はなくちゃんと耳抜きもできる。
これが俗にいう航空性(気圧性)歯痛か‼
気圧が低くなると歯や体の内部の空気が膨張して歯が痛くなるってやつです。
このことはちゃんと知っていましたが、ちょっと甘くみていました。

僕は神経を抜いた歯も、骨の中に空洞ができているところもあります。もしかしたら小さな虫歯もあるかもしれません。

今まで山に登ったり、標高3,000mくらいのところに宿泊したり、低気圧の洋上にいても歯が痛くなるような経験をしたことがなかったですし、プロのダイバーの治療も行ったことがありますが、水深30mくらいで問題はなかったとのことでした。

そもそも人間はある程度は恒常性ってものがあるでしょー、多少の気圧の変化で歯が痛くなったりしたらたまんないよ!って航空性歯痛とか言っている同僚の歯医者の話もまともに聞いてもいなかったです。

私が無知でした。本当にごめんなさい。

飛行中の機内の環境は想像以上に過酷なもので、一般的な機内気圧は0.8気圧
これは富士山の五合目(標高約2500m)に相当するそうです。
これはきついです。以前私のブログでも書きましたが、標高3,000m近くの山小屋で寝ているとSpO2は80台に低下しました。

また機内は室温も低く湿度も5~15%で、イメージとしては寒い砂漠より乾燥しているってことです。

あとは飛行時間が長くなれば、脱水が問題になりロングフライト血栓症の一因となります。


妊婦さんや呼吸器疾患や循環器疾患等をお持ちの方は本当に注意しないといけないと思います。

私は薬がきいたのか、体が気圧をうまくコントロールしたのか、成層圏では痛みは軽減しました。
今回は上のインプラントで上顎洞は骨が薄くてペラペラなので、下顎のインプラントだったら痛くなかったのかもしれませんね。

それにしても歯はこんなにも硬いくせして軟弱な臓器だな。

と言うことで皆さん虫歯は早めにを治しましょう。
インプラント直後のフライトにも注意しましょう

新型コロナウィルスの抗体検査してみました。

スタッフのSARS-CoV-2 IgG抗体検査をしてみました。 全血より血清の方が精度が良さそうなので、まずは採血💉をして、ゆる〜く遠心分離をかけます。 まずは採血 💉 (全血)           そして遠心分離をかけます 上清の 血清 のみ取り出し、試験ストリップに滴下し...