2011年4月30日土曜日

酒とタバコと歯科治療

抜歯やインプラントなどの手術の際に「毎日お酒を飲むので麻酔が効きにくいのでは?」とか「手術後はお酒を飲んでもいいですか?タバコは吸ってもいいですか?」などなどとよく質問されます。
酒飲みや愛煙家にとっては大変な問題ですね。


ではまずアルコールと麻酔の効きについて。
一般歯科治療で使用する局所麻酔薬の麻酔効果と飲酒とはあまり関係ないと思います。もちろん全身的な代謝を考えれば色々影響はありますが、局所麻酔薬の場合は、手術部の血流やリンパ行性に麻酔薬が拡散し、局所での麻酔濃度が低下することで麻酔の効果が小さくなります。

大学病院の口腔外科に勤務していた時は、多くの外傷患者さんの治癒にあたりましたが、特に夜間の顔面打撲・骨折の患者さんは程度の差こそあれ酩酊状態の方も少なくありません。それでも麻酔はちゃんと効きます。


次にアルコールと術後出血は?
アルコールは約75%が肝臓でアルコールデヒドロゲナーゼという酵素によりアセトアルデヒドを生成し代謝されます。このアセトアルデヒドは末梢血管を拡張するため術後出血しやすい傾向になります。

痛みはどーでしょう?
みなさんもご経験があるように、お酒を飲むとドキドキと興奮状態になったり、眠たくなったりします。痛みに対しても同様で疼痛抑制と増強の両方に作用します。
術後はお酒ではなく、痛み止めを飲みましょう。


また歯科での手術は口の中に傷があるため、アルコールが直接触れる環境にあります。ラットの頬粘膜に傷をつけてアルコールを塗布する実験では、エタノールがbFGF(皮膚、血管、骨、軟骨といった様々な組織の形成に関与している細胞成長因子)を介して創傷治癒を遅延させるといった報告を読んだことがあります。飲酒程度であればあまり関係ないかも知れません。
当たり前ですが、傷口に刺激をあたえず安静にしている方が傷跡もきれいで早く治ります。

アルコールと薬の相性にも問題があります。
アルコールは肝臓アセトアルデヒドに代謝され、さらにアルデヒドデヒドロゲナーゼ(アセトアルデヒド脱水素酵素)により酢酸になり,最終的には炭酸ガスと水に分解さます。

感染予防の目的で服用していただく抗生剤(セフェム系抗生剤)の一部はこのアルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害し、アセトアルデヒドが体内に蓄積してしまいます。ご存じのようにアセトアルデヒドは体にとって有害物質で、発癌性もあり、心臓をドキドキさせたり、呼吸困難や頭痛を起こさせます(ジスルフィラム様症状)。

ジスルフィラムとは抗酒癖剤で、この薬を服用してからアルコールを飲むと悪酔いして気分が悪くなり、お酒が嫌いなる薬です。

以前酔っぱらってからむ同僚に、
どんなに高い酒も、からだは一生懸命分解して、炭酸ガスと水にする。ならば初めからガス入りの水でも飲んでりゃいいんだよ!

って怒鳴りつけたら、周りにいた先輩ドクターたちに酒について夜通しレクチャーを受けたことがある。ホント言わなければよかったと後悔した。

そしてタバコはどーか?
愛煙家の方は残念ながらこれは手術に関わらずダメです。

ニコチンの作用で血管が収縮し、傷の治りが悪く、きたない傷跡になります。また直接口の中の傷にタバコの煙が触れるのも非常によくないです。口の粘膜はとってもデリケートなのでタバコの刺激はちょっと強すぎます。

結論!
術後の喫煙はダメ。そしてお酒もダメ。

酒のみというものは適量でやめられない。私の周りの酒のみは、なんだかんだ理由をつけては酒を飲み、本人が思っている適量がすでに適量ではない。

「少量ならOKです」って言いたいところですが、少量・適量でやめられないのが酒のみの性。ですからせめて手術当日くらいはダメ!ということです。

2011年4月21日木曜日

頼もしい助っ人!

4月になって大学の医局から清水先生が私の医院を手伝いに来てくれています。

とっても優秀な先生で、私は毎週木曜日や土曜日は外勤で他の病院や診療所に行くことが多いので、本当に助かります。

今日は木曜日ですが清水先生の学会発表があるため、久しぶりに自分の医院で仕事しています。

今日の発表テーマは
『口腔扁平上皮癌におけるextracellular superoxide dismutase(EC-SOD)
発現局在性の変化:リンパ節転移との相関関係』

というなんだか難しそうな話です??

私たちの体の中に取り込まれた酸素は代謝の過程でsuperoxide(超酸素=活性酸素)と呼ばれる分子に変わります。

このsuperoxide(超酸素=活性酸素)が体を錆びさせる原因物質です。
いろいろな加齢現象、例えばシミやコジワができるのもこれが関与しています。
そして病気の90%に関係があるとも言われ、癌を誘発する唯一の共通因子として、活性酸素の関与が考えられています。

この活性酸素superoxideを消去する働をしているのが抗酸化酵素のSuperoxide dismutase(SOD)スーパー・オキサイド・ディスムターゼです。

この抗酸化機序がうまく機能しなくなると、活性酸素が体内に蓄積していき、酸化ストレス状態になり、やがてはDNAに障害を与えます。

口腔扁平上皮癌においてこの細胞外型SODが正常に機能していたかを遺伝子レベルで確かめたといった実験報告だと思います。

今度ちゃんと清水先生に教えてもらわないと・・・

日々勉強です。

2011年4月15日金曜日

乗り物いろいろ

だんだんと暖かくなり、とっても気持ちよさそうにバイクや自転車が走っているのを見かけます。


これはもう10年以上前に通勤で使っていたバイクです。
青山あたりで『カリスマ美容師』なんて言葉が流行り出した時に、美容師さん達に人気があったバイクです。
そのあとドラマ『Beautiful Life』で木村拓哉さんが演じる主人公が乗っていて、さらに人気に!

歯医者が乗ってるときはただのバイクだったのに、
美容師さんが乗るとおしゃれでカッコよく見えちゃうんですね~

渋滞も関係なく走れるのでとっても便利なんですが、もう何年も乗っていないので・・・

そろそろ処分かなぁ。


こっちは3年くらい前に買った自転車。

 初めは通勤用だったのですが、最近は週末の
お買いもの使用です。
車は渋滞するし、バイクは専用の駐輪場がほとんどない。その点自転車は快適です。

ただこの自転車は変速機がついていない、ママチャリと同じなので上り坂はキツイです。
坂道が多いので流行りのアシスト付き自転車にしようか・・・

                                   
 そしてこれは30年くらい前に流行った「ローラースルーGOGO」 (本田技研工業)を進化させた最新バージョン。
 
近くのコンビニやレンタルビデオ屋さんに行くのに便利かと思ったんですが、歩いた方が早いので、まったく乗っていません。

それにしてもホンダはこんなものまで作っていたんですね。

最近ではジェット機の販売も。驚きです!




ついでにこれは大人使用のホッピング!「PRO:GO」!

昔こどもたちが遊んでいたスプリング式のホッピング(ポゴスティック)と違い、付属のポンプでエアーを入れて、その圧力で跳びはねます。
かなりのジャンプ力なのでちょっと危険です!
上級者はなんと階段を5段飛ばしくらいで上がれるらしいです。
遊びのつもりで飛ぶと怪我をします。

なんでこんなもの買ったんだろう??

2011年4月6日水曜日

4月に入り少し温かく、春らしい陽気が続いています。
東京や千葉でも桜の開花が進み、今週末くらいは満開になるのではないでしょうか。


桜は日本が世界に誇る美しい花です。
春になると咲くのはまだか?今日は何分咲きになった?パッと咲いたかと思うと儚く散っていく。
こんな美しい桜に心を乱されます。



しかし、誰もが愛する桜であっても、最愛の人、大切なものを失った悲しみやまない心には淡い紅色の桜はあまりにも切ない。

     
        「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染に咲け」



どんな花でもつぼみの時期があります。そして寒い冬を乗り越え、たくましく咲く。


はやく日本中が笑顔でお花見ができるようになるといいですね。


がんばれ!子供たち。

新型コロナウィルスの抗体検査してみました。

スタッフのSARS-CoV-2 IgG抗体検査をしてみました。 全血より血清の方が精度が良さそうなので、まずは採血💉をして、ゆる〜く遠心分離をかけます。 まずは採血 💉 (全血)           そして遠心分離をかけます 上清の 血清 のみ取り出し、試験ストリップに滴下し...